ⓔノート17-9-17 GPIアンカー型蛋白 (GPI–AP)

 GPI-APは,グリコシルホスファチジルイノシトール (GPI) によって細胞膜にアンカーされている一群の膜蛋白質で,真核生物に広く存在している.GPIの基本骨格とエタノールアミンリン酸を介してカルボキシ末端にアミド結合している様式は,生物間で保持されている.GPI–APには,酵素,受容体,免疫系蛋白質,認識抗原など,多種多様な役割を果たす蛋白が含まれる.PNHでは,造血幹細胞において,PIGA遺伝子などのGPIアンカー合成に関わる遺伝子の変異により,GPIアンカーが合成されず,本来血液細胞上に発現しているGPI–APが欠損する.

〔西村純一〕